位置情報アンケートアプリの選び方と作り方
位置情報アンケートアプリとは何か、選ぶときに大切な機能、そして現地調査で既製ツールを使うか自社開発するかの判断基準を解説します。
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位置情報アンケートアプリとは、それぞれの回答がどこで入力されたかを、多くの場合スマートフォンのGPSから記録するアンケートやフォームのことです。簡単な調査や1回限りの調査なら、既製のツールを使いましょう。独自のブランド、業務の流れ、他システムとの連携、データのルールが必要なときは、位置情報アンケートアプリをオーダーメイドで開発します。
位置情報アンケートアプリとは?
位置情報アンケートアプリとは、それぞれの回答に、答えた場所の記録を付けるアンケートやフォームのことです。質問をして、相手が答えると、アプリは回答を地図上の座標と一緒に保存します。現地データ収集アプリ、現地調査アプリ、GPS調査アプリと呼ばれることもあります。どれも考え方は同じで、位置情報を組み込んだアンケートのことです。
位置情報はスマートフォンから取得します。位置情報データの主な取得元は3つあります。1つめはGPSチップで、衛星の信号を読み取り、屋外で最も力を発揮します。2つめは近くのWi-Fiネットワークで、屋内での測位を助けます。3つめは携帯電話網で、基地局からおおまかな位置がわかります。スマートフォンはこれらを組み合わせるため、同じアンケートでも、歩道では正確で、倉庫の中ではややあいまいになることがあります。
これは土地測量や地図作成のアプリではありません。測量や地図作成のツールは、境界線を測り、地図を描き、地物を記録するもので、使うのは測量士やGIS(地理情報システム)の分析担当者です。アンケートアプリはその逆です。主な役割は人から回答を集めることで、位置情報は各回答に付けるラベルにすぎません。このアプリを探して測量機器が出てきたなら、検索結果のページを間違えています。
現地調査アプリは何に使われている?
現地調査アプリが使われるのは、回答がどこから来たかを知ることで価値が高まる場面です。流れはシンプルで、誰かがある場所へ行き、スマートフォンで質問に答え、アプリがその地点を記録します。紙のフォームも、あとからの再入力も要らずに現地のデータを集める、その中心になる仕組みです。
- 現場点検:管理者が建物、作業現場、物件を確認し、報告書にはそれぞれの指摘事項がどの住所のものかが示されます。
- 訪問調査や地域調査:調査員が世帯ごとの回答を記録するため、どの区画を回り、どこを回れていないかがわかります。
- サービスの確認:配達、清掃、修理が正しい場所で行われたことを、責任者が確認します。
- イベントの感想収集:参加者がセッションやブースを評価し、位置情報によって部屋や会場ごとの違いを見分けられます。
- 非営利団体の支援活動:スタッフが訪問先ごとにニーズや紹介先を記録し、その後、支援者に対して活動範囲を報告します。
具体的な例を挙げます。あるフードパントリー(食料支援の拠点)が、食料品の入手しやすさについて地域を調べるために、3人のボランティアを送り出しました。すべての回答に位置情報が付いているので、代表者は回答がすべて町の片側からのものだと気づけます。回答だけを並べた表計算シートでは、この偏りは見えません。
GPSを使った調査アプリで大切な機能は?
現場調査で位置情報アンケートアプリがきちんと機能するかどうかは、5つの機能で決まります。オフライン対応、精度の設定、写真、スキップロジック、エクスポートです。まずはオフライン対応です。地下、田舎道、人が多い会場などでは、電波が届かないことがよくあります。そのため、回答をいったんスマートフォンに保存し、あとで同期できるアプリを選びましょう。これがないと、いちばん必要な場所でアンケートが失敗してしまいます。
次は精度です。ここは、アンケートが気づかないうちに失敗しやすいところです。スマートフォンは、位置を報告するときに、その位置がどれくらい確かかも一緒に伝えます。よいアプリなら、GPSのタイムアウト(位置が確定するまで待つ時間)と、最低限の精度を設定できます。十分な測位ができる前に回答を保存してしまうと、点が別の通りや隣の建物にずれることがあります。すると、地図はきれいに見えても、誤った情報を伝えてしまいます。たとえば、現場点検の担当者が屋内で記録すると、所見が80メートル離れた場所に記録され、問題を別の物件に割り当ててしまうことになります。
残りは実用面の機能です。位置情報付きの写真があれば、現場の担当者は、撮影場所の情報を持った証拠写真を添付できます。スキップロジックは、当てはまらない質問を隠す機能です。たとえば「賃貸にお住まいですか?」に「いいえ」と答えた人には、大家さんについての質問は表示されません。エクスポートでは、CSVまたはスプレッドシート形式で出力できることと、座標がWGS84であることを確認してください。WGS84とは World Geodetic System 1984 の略で、GPSが使っている標準的な緯度・経度の座標系です。GISソフトを使う予定なら、それらが読み込める形式で出力できるアプリか、直接つながるアプリを選びましょう。そうしたツールもあるので、決める前に確かめてください。
既成のツールを使うべきか、自社で作るべきか?
簡単なアンケートや一度きりのアンケートなら、既成のツールを使いましょう。自社のブランド、決まった業務フロー、ほかのシステムとの連携、位置情報データの保管方法の管理が必要なら、オリジナルの位置情報アンケートアプリを作りましょう。判断の決め手は、プロジェクトが終わる前に、ツールの制限が足かせになるかどうかです。
設問が10問、ボランティアチームが1つ、期間が1週間の地域アンケートなら、フォーム作成ツールで十分です。午後のうちに設定でき、スプレッドシートを書き出せます。一方、年に300か所の現場へ点検担当者を送り、所見ごとに担当マネージャーへ振り分け、結果を自社のデータベースに書き込む会社なら、そうした設定はすぐに手狭になります。
| 選択肢 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| Survey123 | すでにArcGISを使っていて、アンケートの回答をGIS(地理情報システム)ソフトに取り込みたいチーム | Esriのエコシステムとそのライセンスに縛られます |
| Mergin Maps | 地図を中心にした現場調査。特に、チームがすでにQGISを使っている場合 | 地図が中心の設計なので、ふつうのアンケートには大がかりに感じることがあります |
| NestForms | あまり設定しなくても使える、フォーム形式の現場データ収集 | 決める前に、最新の制限を確認してください |
| Buildfireプラグイン | すでにBuildfireで作っているアプリに、アンケートや位置情報の機能を加えたい場合 | そのプラットフォームのルールと料金の範囲内で動きます |
| オリジナルアプリ | 自社のブランド、業務フロー、システム連携、データのルールを反映したい場合 | 初期費用が高くなります。AppDesign360のモバイルアプリは3,500ドルからで、その前に1,250ドルからのBlueprintが必要です |
これらのツールの多くには、無料プランやお試し期間があります。回答数、ユーザー数、保存できる写真の数といった上限はベンダーごとに違い、時期によっても変わります。「無料」を前提に計画を立てる前に、各社の最新の料金ページを読みましょう。まずは無料プランで、オフライン同期や座標のエクスポートなど、必要な機能そのものを試してください。
位置情報付きのアンケートは、順を追ってどのように設定すればよいですか?
位置情報アンケートアプリの設定は、5つのステップで進めます。位置情報の設定は、回答する人が実際にどのように答えるかに左右されるため、順番が大切です。お手本にしたいのは、回答ごとに緯度と経度をWGS84で書き出すアンケートです。WGS84はSnapSurveysが使っている形式で、どんな地図ツールやGISツールでも、変換なしでファイルを読み込めます。
- 最初に質問を書きます。1問ずつ短くし、使わない質問は削ってください。12問のフォームは、40問のフォームより最後まで回答してもらいやすくなります。
- 位置情報を取得するタイミングを決めます。選べるのは、フォームを開いたとき、回答のたび、送信をタップしたときです。戸別訪問の調査なら、送信時に取得するのがおすすめです。送信するとき、回答者は玄関先に立っているからです。
- GPSのタイムアウトと最低限の精度を設定します。スマートフォンが位置を特定できるよう、屋外なら20〜30秒など、十分な時間を与えてください。また、精度が低い場合に送信を止めるのか、印を付けるだけにするのかも決めます。これらの数値は出発点です。パイロット調査のあとに調整してください。
- 3〜5人でパイロット調査をします。地下室や地方の道路など、実際の場所に行ってもらい、記録された地点と本人が立っていた場所を比べます。
- 書き出して確認します。緯度と経度を別々の列に分け、WGS84で記録したCSVをダウンロードしてください。地図上で開き、調査をした場所に地点がきちんと載っているかを確かめます。
パイロット調査の地点が別の通りにずれていたら、本番のデータを集める前に、タイムアウトか精度の設定を直してください。途中で変更すると、比べられない2種類の回答が手元に残ってしまいます。
プライバシーと同意はどう扱えばよいですか?
許可を求め、何を集めるのか、なぜ集めるのかを伝え、保管期間を示し、必要なものだけを集めてください。位置情報は、特定の人に結び付けられる場合、個人データになります。自宅の住所は、道の角よりも繊細な情報です。ルールは米国の州やカナダの州ごとに異なります。一般の人から情報を集める場合や、健康に関する情報を扱う場合は、弁護士に相談してください。
ほとんどのアプリは、一日中あとを追いかけてくるわけではありません。スマートフォンの仕組みで、アプリはまず許可を求めなければならず、多くの場合、ユーザーはアプリを開いている間だけ、あるいは1回だけ位置情報を共有するように選べます。アンケートアプリに必要なのは、回答を送信するときの1回分の位置情報だけです。調査が成り立つ範囲で、いちばん限定的な許可を求めてください。
常時の追跡が存在するのは事実ですが、それは本人が「常に」のアクセスを許可した場合に限られます。配達、配車、車両管理のアプリの一部がそうです。現地調査に必要なのは、そこまでのものではありません。もしアプリがバックグラウンドでの位置情報を求めるなら、その理由を一文で説明できるはずです。
- 位置情報の許可を求める前に、短い案内を表示します。例:「地域ごとに結果を地図にまとめるため、回答した場所を記録します。」
- 保管期間は、わかりやすい言葉で伝えます。例:「正確な座標は90日後に削除します。」期間は、目的に合ったものを選んでください。
- 地域やZIPコードがわかれば足りる場合は、座標を丸めるか、省いてください。
- 調査に本当に両方が必要な場合を除き、氏名と正確な位置を同じファイルに入れないでください。
位置情報の機能を、いろいろな場所でテストするにはどうすればよいですか?
位置情報のテストとは、人が実際にアプリを使う場所や条件で、アプリがスマートフォンの位置情報を正しく読み取り、記録し、扱えるかを確かめることです。公開前に、実機で行ってください。机の上では正しく見える地図のピンも、地下の階段室では大きくずれることがあるからです。
まずは実機から始めます。空が開けた屋外でいくつか質問に答え、次に屋内でも、窓の近くと建物の奥深くで答えてみてください。記録された地点を、実際に立っていた場所とそれぞれ比べます。屋内でのずれが大きいなら、タイムアウトと精度のルールを見直す必要があります。あるいは、精度が低い位置情報に印を付ける設定の見直しが必要です。
移動せずに他の場所をテストするには、位置情報のシミュレーションを使います。AppleのXcodeとAndroid Studioのエミュレーターには、どちらも仮の位置を設定する機能があります。そのため、トロントの住所、ニューヨークの区、地方の郡を、午後のうちにまとめて確認できます。ただし、シミュレーションでは、いつもきれいに位置が測定されます。確認できるのは、アプリが異なる座標を扱えることです。弱い電波への対応は確認できません。
オフライン時の動作には、別にテストが必要です。機内モードをオンにして、回答をいくつか送信し、そのあと接続を戻します。各回答は1回だけ届き、同期した時点ではなく、回答した時点の位置情報が付いている状態が正しい動作です。
- 位置情報の許可画面が表示され、「許可しない」をタップされてもアプリが動作します。
- 屋外と屋内で取得した位置が、設定した精度の範囲内で、実際にいた場所と一致します。
- 精度の低い測位結果は、あらかじめ決めたとおりにブロックされるか、フラグが付きます。
- オフライン中の回答は、元の座標と時刻のまま、1回だけ同期されます。
- 書き出したファイルでは、WGS84の緯度と経度が別々の列に入っています。
- 写真は、正しい回答と正しい場所に紐づきます。
カスタム開発では、どんな失敗やコストがあり、次に何をすればよいですか?
失敗したカスタム開発の多くには、4つの同じ間違いがあります。そして、そのすべては避けられます。カスタム開発の位置情報アンケートアプリの費用は機能によって変わりますが、最初のステップには決まった開始価格があります。
- オフラインモードがない。現場の作業者は、地下、地方の道路、大きな建物の中で電波が途切れ、回答が消えてしまいます。
- 精度を無視する。すべての測位結果を正確な値として保存すると、調査結果が誤った住所に結びついてしまいます。
- 位置情報を集めすぎる。求めるのは、回答ごとに1回分の位置情報です。移動の軌跡ではありません。
- パイロット運用を省く。5人のユーザーで1週間試せば、公開後だとはるかに高くつく問題を見つけられます。
AppDesign360のモバイルアプリBlueprintは、1,250ドルから始められます。クリックして操作できるプロトタイプ、技術仕様書、開発の見積もりが手に入ります。開発そのものは、iOSとAndroid向けの合意したスターター範囲で、3,500ドルからです。App StoreとGoogle Playへの申請も含まれます。オフライン同期、GISやデータベースとの連携、承認ワークフローは価格が変わる場合があるため、最初に作業範囲へ明記します。
| ステップ | 内容 | 開始価格 |
|---|---|---|
| App Blueprint | クリックして操作できるプロトタイプ、技術仕様書、開発の見積もり | $1,250 |
| モバイルアプリ開発 | iOSとAndroidのアプリ、ストアへの申請 | $3,500 |
作業範囲、価格、公開日は、作業を始める前に書面で合意します。コード、ホスティング、アカウントはお客様のものです。新規開発には、開発したチームによる30日間の修正対応が含まれます。既製のツールで足りるのか、カスタムアプリが適しているのかを知りたい場合は、20分の無料相談をappdesign360.comからご予約ください。
この記事のポイント
- •位置情報は、屋外と屋内の実機でテストしましょう。シミュレーションでは、弱い電波を再現できないためです。
- •開発者向けの位置情報シミュレーションで多くの場所をすばやく確認し、そのあと機内モードでオフライン同期を確かめましょう。
- •オフラインモード、精度のルール、最小限の位置情報、パイロット運用の4つは、カスタム開発で特に省かれやすい項目です。
- •モバイルアプリBlueprintは1,250ドルから、開発は3,500ドルからで、作業範囲と価格は先に書面で合意します。
- •コードとアカウントはお客様のものです。新規開発には30日間の修正対応が含まれます。
位置情報テストとは何ですか?
移動せずに、さまざまな場所でアプリをテストするにはどうすればよいですか?
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